今手元にまとまったお金があるとして、「一括投資をするか、積立投資をするか、どちらにしたらいいかわからない」と迷われている方がいるとしたら、ぜひこのコラムを読んでみてください。
INDEX
一括投資・積立投資、どちらかが優れているわけではない
資産運用には、「一括投資」と「積立投資」という異なる特徴を持った投資方法があります。どちらの方法が自分に適しているのか、判断に迷うという方も多いのではないでしょうか。
この「一括投資」と「積立投資」、どちらかが優れた方法であるというわけではありません。
「積立投資さえしていれば安心」、「一括投資は必ず損失が出る」、と考えているとしたら、それは誤解です。どちらの投資方法にもメリット・デメリットがあり、投資する方のリスク許容度や、資金が必要なタイミングによっても採用する方法は変わります。
積立投資さえしていれば安心というわけではない
積立投資は、比較的リスクが少なく、投資経験のない方でも安心して始めやすい方法として知られています。積立投資のメリットは、以下のとおりです。
- 定期的に一定金額で投資するため、高値掴みのリスクを回避できる
- 定期的に一定金額で投資するため、投資の手間が省ける
- 相場の動向に一喜一憂せず取り組むことができる
しかし、積立投資は購入頻度が多くなるため手数料がかさむことがあります。また、短期間で運用成果を出したいときには向いていません。
長期的に市場が下落し続ける可能性もゼロではありませんし、インフレ率が投資収益率を上回ると、実質的な資産価値は目減りしてしまいます。
一括投資が必ず損失を出すわけではない
一括投資は、投資初心者は避けたほうがいいのでは?と考えている方も多いのではないでしょうか。確かに一括投資にはさまざまなデメリットが挙げられます。
- 短期間で大きな損失を被るリスクがある
- まとまった資金が必要
しかし、市場が低迷している局面で一括投資できれば、将来的なリターンが大きくなる可能性があります。また、短期的な目標があり、すぐにまとまった資金が必要な場合は、一括投資の方が効率的かもしれません。
【一括投資+積立投資】組み合わせると◎
もしまとまったお金が1,000万円あるとして、それを5年後に住宅の購入資金として使いたいとします。
たとえば、この1,000万円を元手にNISAのつみたて投資枠を使って積立投資をするとしましょう。
新NISAのつみたて投資枠とは?成長投資枠との違いなどをわかりやすく解説
1,000万円から10万円ずつ分割して毎月積み立てていくと、毎年120万円のNISAつみたて投資枠の年間投資枠いっぱいまで投資が可能です。しかし、5年後には400万円が活用されずに残ってしまうことになります。だからといって、1,000万円全てをハイリスク・ハイリターンの商品に一括投資するのは、リスクが大きすぎます。
一括投資・積立投資という選択も大切ですが、投資においては適切なポートフォリオを作成することも大切です。
例1 ミドルリスク・ミドルリターンな運用を目指す場合
1,000万円を5年間かけて投資する場合のポートフォリオ
- 1年目に債券型の株式投資信託を240万円一括で買付(成長投資枠)
- 2年目にバランス型の株式投資信託を130万円一括で買付(成長投資枠)
- 3年目にバランス型の株式投資信託を130万円一括で買付(成長投資枠)
- 4年目にバランス型の株式投資信託を130万円一括で買付(成長投資枠)
- 5年目にバランス型の株式投資信託を130万円一括で買付(成長投資枠)
- 米国株式を投資対象とする投資信託を毎月4万円買付(つみたて投資枠)
※株式投資信託 投資信託の約款に株式を組み入れることが可能と記載されている投資信託
※公社債投資信託 株式を投資対象に一切組み入れず、国債や社債などの債券(公社債)に投資対象を限定して運用する投資信託
債券型の株式投資信託は、株式を主な投資対象とする投資信託と比較して緩やかな値動きであることが多いので、ポートフォリオの基盤になります。株式と債券の両方に分散投資を行うバランス型の株式投資信託は、安定したリターンとリスクの軽減を両立できます。成長性の高い米国株を投資対象とする投資信託は、高いリターンが期待できます。
投資する銘柄の特徴に合わせて、一括投資をするか積立投資をするか選択します。投資する資産とタイミングを分散することでリスクを軽減することが可能です。
※これは一例であり、全ての方に当てはまるわけではありません。
例2 積極的な運用スタイルを目指す場合
1,000万円を5年間かけて投資する場合のポートフォリオ
- 1年目に米ドル建て普通社債を300万円分購入
- 1年目に米国REITを主な投資対象とする投資信託を100万円分一括で買付(成長投資枠)
- 国内株式インデックスファンドを毎月5万円買付(つみたて投資枠)
- 先進国株式インデックスファンドを毎月5万円買付(つみたて投資枠)
現預金が他にもあり、多少リスクを取っても高いリターンを求めたいという場合のポートフォリオの例です。
こちらはバランス型の投資信託が入っていないため、例1と比較するとハイリスク・ハイリターンの構成といえます。米国の市場環境に影響されやすいため、状況次第では一括購入した投資信託を解約し、比較的リスクの低い債券型の株式投資信託へ乗り換えることも検討できます。
大切なのは投資の目標設定
SNSや書籍で「○○投資こそが王道だ」といった文言を見かけることがあるかもしれません。しかし、投資においてこれが正解というものはないのです。
積立投資も一括投資も、それぞれメリット・デメリットがあります。どちらが良いかではなく、ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。
また、どちらかの方法だけにこだわるのではなく、組み合わせて使うことでより効果的な資産運用が可能です。
まずは投資の目標を設定しましょう。投資を始める前に、そのお金を「いつまでに」「どのくらい」増やして、「何をしたいのか」を明確にすることが大切です。
そのうえで、「どのような金融商品を」「どのようなバランスで」「どんなタイミングで」投資すればいいのか判断する必要があります。しかし、その判断はとても難しいのではないでしょうか。
投資信託相談プラザのIFAは銀行や証券会社に所属していない独立系投資アドバイザーであり、中立的な立場からお客様のライフプランに合わせた資産運用のアドバイスを行います。ぜひ、一度相談を検討してみてください。
NISAのご注意事項
・配当金等は口座開設をした金融機関等経由で交付されないものは非課税となりません。NISA口座で国内上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。
・同一年において1人1口座(1金融機関)しか開設できません。NISAの口座開設は、金融機関を変更した場合を除き、1人につき1口座に限られ、複数の金融機関にはお申し込みいただけません。金融機関の変更により、複数の金融機関でNISAの口座を開設されたことになる場合でも、各年において1つの口座でしかお取引いただけません。また、NISAの口座内に保有されている商品を他の年分の勘定又は金融機関に移管することもできません。なお、金融機関を変更される年分の勘定にて、既に金融商品をお買付されていた場合、その年分について金融機関を変更することはできません。
・NISAで購入できる商品は金融商品取引業者が指定する商品に限られます。
・2024年からの新NISAでは年間投資枠と非課税保有限度額が設定されます。
・損失は税務上ないものとされます。
・出国により非居住者に該当する場合、NISA口座で上場株式等の管理を行うことはできません。
・2024年からの新NISAにおけるつみたて投資枠では積立による定期・継続的な買付しかできません。
※ その他、2024年からの新NISAに関するご注意事項、並びに2023年までの一般NISA ・つみたてNISA等に関するご注意事項の詳細は金融商品取引業者のWEBサイトにてご確認ください。
各商品等にご投資いただく際には商品毎に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。 又、各商品等には価格の変動等による損失を生じる恐れがあります。
各商品等へのご投資にかかる手数料等およびリスクについては、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書、お客様向け資料等をよくお読みになり内容について十分にご理解ください。
【投資信託の取引にかかるリスク】
投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、申込手数料等の費用が異なり、多岐にわたりますので、詳細につきましては、それぞれの投資信託の「目論見書」「目論見書補完書面」を必ずご覧ください。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
●主な投資対象が国内株式
組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
●主な投資対象が円建て公社債
金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
●主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの
組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
【投資信託の取引にかかる費用】
投資信託へのご投資には、所属金融商品取引業者等およびファンドごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費等をご負担いただく場合があります。(手数料等の具体的上限額および計算方法の概要は所属金融商品取引業者等およびファンドごとに異なるため本書面では表示することができません。)
●お買付時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「買付手数料」:所属金融商品取引業者等、ファンドによって異なります。
●保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用
「ファンドの管理費用(含む信託報酬)」:ファンドによって異なります。
●ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
各商品のお取引にあたっては、当該商品の目論見書をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
このコラムの執筆者
MONEY HUB PLUS 編集部
株式会社Fan
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。
未来につながる投資情報メディア「Money Hub Plus(マネハブ)」の編集部です。
みなさまの資産形成に役立つ情報を日々発信しております。